陰の王子様



週に一度のお茶会は、屋敷にこもっている私にとって、楽しみなものに変わっていった。



王子とお茶しているのだが、サンチェさんたちが友達のような雰囲気でいるため、私も王子に緊張はしなくなってきていた。


少しずつ王子と会話するようにもなり、優しい人なんだなと思うようになった。





そんな日々を過ごしていた私に試練というべき招待状が届いた。










「初めまして、噂のコヴィー侯爵令嬢」


「初めまして。本日はお招きありがとうございます。ライラ様」


スカートを摘み頭を下げた私を見て、彼女、ライラ・キース公爵令嬢様は鼻で笑って、どこか行ってしまった。




「ああ…、緊張した。」


招待を受けてから、マナーはもう一度丁寧に教えてもらった。

ちゃんとしていないと侯爵令嬢として恥だし。
…やっぱり女の世界、どこで足元をすくわれるか分からないのだ。




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