陰の王子様




公爵家は1番王族に近い存在

何代か前の当主が国王の弟だったらしい。



その公爵家の令嬢であるライラ様主催のお茶会だけあって、招待客はパーティー並の人数だ。


パーティーと違うのは、当主や奥様はいないところ。
年頃の子どもしかおらず、あちこちで男女が楽しく会話している。




馴染めない空気感にさっさと隅の方へ移動し、準備されていたお菓子をいただく。





「お隣よろしいでしょうか。」

「あ、はい。」


ずっと目が合うな、あの人。と思っていたら、話しかけられたのでびっくりした。



彼はルーミーと名乗っていたから、おそらくルーミー伯爵家の子息だろう。

妙に顔を覗きこまれながら会話をしていく。
印象は女心を分かってそうだな。と思った。



顔を見るという点でも、目を見て話してくれると思えるし、話の引き出しも豊富だ。

女性が好きそうな食べ物の話、人気の場所。


それに相手を褒め倒すのだ。
このドレスは君に似合ってる。この色は君の肌を際立たせる。
とか、色々。褒められた私は、ただ感心しかしなかった。




…こんな口の上手い人もいるんだなと。








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