陰の王子様
「まあ!!イオ様!」
ライラ様の声が響き渡り、その声に参加者たちがざわざわし始める。
そして、おそらくライラ様がいるところには女性が大勢集まっていた。
…"イオ"というのは、…第二王子の名だ。
王子も招待されていたんだ。…女性に囲まれて姿も見えないけど。
男性も集まっているが、王子と仲が良いから、という訳ではきっとないだろう。
そんなことを思いながら、勝手に身近な存在になっていた王子がこの国の王族なのだと改めて気づかされた。
「君がレティシア・コヴィー嬢か?」
「……はい。」
大きな集団を引き連れ、王子が隅にいた私に話しかけて来た。