陰の王子様
初めて参加したお茶会からライラ様は頻繁に私を屋敷に招いた。
招待されたのは、お茶会がほとんどだったけど、たまに刺繍をしたり、ダンスをしたり。
お茶会ならまだなんとか乗り越えられるが、刺繍はしたことないし、ダンスも今少しずつ習っている最中だった。
それを知られた時からはお茶会という名のダンスパーティーが始まったりした。
『まあ!コヴィー家の御令嬢はダンスが踊れませんのね!でも仕方がないですわ。いつか踊れるようになりますわよ!』
ライラ様に組まされた、貴族の御子息相手に何度も足を踏んでしまったり、躓いてしまう私
クスクスと笑われている声がコヴィー家に帰って食事をしている時も、寝ようとした時も空耳で聞こえてしまうほどになっていた。
その上、週に何度も招かれてしまうために、休まる時間がなかった。