陰の王子様
眠れないまま数日を過ごすと当たり前のように限界がきて、ある時、完全に落ちてしまう時がある。
そこで見てしまうのは全部が予知夢という訳でもなかったが、嫌な夢の中に何度か予知夢を見た。
その舞台は全てライラ様の屋敷で、1度予知夢を見てしまったからには、ライラ様の招待を断ることはできなかった。
誰にも話せないため、私が何とかしなければならない。
相変わらず、クスクスと笑われ、馬鹿にもされるが行かない訳にはいかないんだ。
「全くお上手になりませんわね〜。」
私とある貴族の御子息が踊っているのをライラ様やライラ様を慕っている御令嬢たちに見られている。
全身をくまなく観察され、ダメなところを口々に言われるため、かなり精神的にくる。
その上、相手役の御子息には嫌な手つきで腰をなぞられたり、不必要に顔を近づけられたりする。