陰の王子様
まだ躊躇っていた私の手を掴んで、優しく上着の上に座らせるイオ様
すると、イオ様も隣に座って、その奥にはベラがいた。
「たまにはこういう日も良いな。」
掴んだままの手に導かれるように、私の体は横たわり、隣のイオ様との距離の近さにどきりとする。
心が落ち着かず、無意識に左隣のロキの毛を撫でていた。
「レイたちに囲まれて寝るのは、俺がいない時で頼むな。俺がいる時は、レティシアの隣は譲れないから。」
綺麗な青空と、綺麗な草花
周りには私を助けてくれた動物たち
そして、綺麗な王子
頭の処理が追いつかず、返事はできなかった。
固まる私にイオ様は楽しそうに笑って、言った。
「俺がいるから。ゆっくり眠れよ、レティシア」