陰の王子様






「嫌な女だ…。」



自分の嫌なところが浮き彫りになるようで、ここ数日は、自分に幻滅する日々






「お嬢様、今日はゆっくりされますか?」


スズのいれてくれたお茶を飲みながら、対面に座るスズが私を気遣ってくれる。



「ううん、大丈夫。ありがとう。…考えても無駄だよね。こんな機会ないんだから、しっかり勉強しないと。」


後宮に入ると、王族の女性たちが習っていることを少しだけ教えてもらえる。


そんな贅沢なことをさせてもらえているだけでも、ここにいる意味は十分にある。




だから、国王様は私をここに入れてくれたのかもしれないと思うようになった。

少しでも賢い女性になって、……コヴィー家にとって良い縁談先に嫁げるよう。





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