陰の王子様




「すごいなレティシア。あの先生、俺には厳しかったぞ。」


「えっ、イオ様の先生だった方なんですか?」


「そう。小さい頃からずっと。だから、レティシアのことも頼んだんだ。」



話しながらイオ様の手はどんどん雑草を抜いていく。

一方で、私の手はさっきから止まりっぱなしだ。




イオ様との共通点が見つかった気がした。

共通点と言っていいかは分からないけど。でも、とても嬉しかった。






その後、雑草をある程度抜いてくれたイオ様
手を洗ってくださいと言ったのに、時間がないからと、土がついた手のまま走って行ってしまった。




「お嬢様、束の間の密会でしたね。」


うふふとスズが嬉しそうに言ってくれるから、私も恥ずかしくなりながらも、素直に頷いた。





< 326 / 383 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop