陰の王子様
「すごいなレティシア。あの先生、俺には厳しかったぞ。」
「えっ、イオ様の先生だった方なんですか?」
「そう。小さい頃からずっと。だから、レティシアのことも頼んだんだ。」
話しながらイオ様の手はどんどん雑草を抜いていく。
一方で、私の手はさっきから止まりっぱなしだ。
イオ様との共通点が見つかった気がした。
共通点と言っていいかは分からないけど。でも、とても嬉しかった。
その後、雑草をある程度抜いてくれたイオ様
手を洗ってくださいと言ったのに、時間がないからと、土がついた手のまま走って行ってしまった。
「お嬢様、束の間の密会でしたね。」
うふふとスズが嬉しそうに言ってくれるから、私も恥ずかしくなりながらも、素直に頷いた。