陰の王子様
「ライラ、いくらなんでもやりすぎだ。」
「黙っていてお父様。私は後宮にいる身として、公爵家の立場として言っているの。」
「イオ様、この女はこの後宮にいる資格はありませんわ。」
「そうだな。」
冷たくそう言うと、イオ様はテーブルに投げられたネックレスを手に取った。
その姿に私は胸が握りしめられるように痛くなる。
違うんですっ!誰から貰ったのか、私は知らなくて!
声にならない叫びが胸の中で叫んでいる。
ネックレスを千切られたショックなのか、声を上げる勇気もなくなってしまった。
「だから、俺はこんなところに入れるのは嫌だったんだ。」
「レティシア・コヴィー。貴方を妃に迎えるよ。」