陰の王子様
「いつもつけていますわ!そんなに大事な、しかもネックレスなんて、男以外に貰うものでしょうか!?」
「これはっ、違くて!」
「黙ってなさい!」
頭に血が上っているのか、ぐっとさらにネックレスを引っ張られ、苦しくなると、パッとその苦しみから解放された。
「えっ…?」
何があったのか分からず、目を彷徨わせていると、ライラ様の手にキラキラと光るものが握られていた。
ニヤリと笑ったライラ様は千切れたネックレスを目の前のテーブルに放り投げる。
それを私は放心状態で眺めていた。
いつの間にか身につけていたネックレス
不思議に思ったものの、何でか外そうとは思わなくて、泣きそうになった時や不安になった時にはぎゅっと握りしめていた。
それが千切れてしまった。