陰の王子様







「こちらの我が儘を受け入れてくださり感謝いたします。」



「いえ。我々もご挨拶をさせていただきたかったので。」



緊張しながらも、イオ様にならい、優雅にお辞儀をする。


イオ様の一歩後ろにいた私に目を向けると、深々とお辞儀をした、ロベール王国の王




広い豪華な応接間に向かい合って座り、使用人さんたちも、ジェハさんと王の側近の人以外部屋から出て行った。









「レティシア様、この度は私の元夫と娘が誠に申し訳ありませんでした。」



「あ、あの、頭を上げてください!私はもう前を向けましたので。」



ゆっくりと綺麗に体が戻り、私と目が合う。
ロベール王国の現王は王妃だった方


王妃であったが、前王には暴力を振るわれていたとイオ様から聞いた。



それでも前王のやり方に意義を唱え続けたところ、前王は側近たちの反対を押し切って王妃を幽閉したそうだ。







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