陰の王子様
イオ様に支えられて立ち上がると、レイナ様が私を抱きしめた。
「…是非、我が国にもいらっしゃってください。」
「レイナ、様」
「貴方に恥じないロベール王国にしてみせます。そして、これから先、友となれるのなら私は嬉しいです。」
優しい腕の中で私は何度も縦に首を振った。
それからはレイナ様とゆっくり話す機会はほとんどなかった。
今回の訪問は、表向きはイオ様と私のお祝いだとされているけど、本当は、前王と元王女関連のことで訪問されているので、連日国王様と話されている。
「イオ様?」
レイナ様が城に滞在して3日目の夜遅く
着替えも済ませ、寝るだけの状態でイオ様を待っていようとソファに座って本を読んでいたら、帰って来たイオ様が私を急に抱きしめた。
何も言わず、強く抱きしめられたままで、私もそっと背中に手を回す。