陰の王子様
「王子様とお姫様だあ!良いなあ!」
「こらっ!邪魔しないの!」
その声にハッとなり、周りを見れば、みんな顔が緩みきって私たちを見ており、恥ずかしくなる。
そんな私にイオ様は、子どもの言葉にのったのか、躓いたまま手を差し伸べており、恥ずかしながら、その手に手を重ねると立ち上がらせてくれる。
「あと1つ、皆さんに言うことが。」
何だろうかと一瞬思ったけど、すぐに理解する。
「俺が言っていいか?」
「はい。お願いします。」
自然と微笑んでいたらしい私たち
みんなが、まさか…と勘づいているのには気づかなかった。
「レティシアが身ごもりました。」