陰の王子様







「王子様とお姫様だあ!良いなあ!」


「こらっ!邪魔しないの!」





その声にハッとなり、周りを見れば、みんな顔が緩みきって私たちを見ており、恥ずかしくなる。



そんな私にイオ様は、子どもの言葉にのったのか、躓いたまま手を差し伸べており、恥ずかしながら、その手に手を重ねると立ち上がらせてくれる。








「あと1つ、皆さんに言うことが。」


何だろうかと一瞬思ったけど、すぐに理解する。

「俺が言っていいか?」


「はい。お願いします。」




自然と微笑んでいたらしい私たち
みんなが、まさか…と勘づいているのには気づかなかった。





「レティシアが身ごもりました。」




< 377 / 383 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop