陰の王子様
「おめでとうっ!!」
「おめでとう!!嬉しいねえ!」
「あのお嬢ちゃんが母親になるなんて…っ。」
喜んで涙を浮かべてくれるみんな
嬉しくてイオ様を見上げれば、イオ様も嬉しそうに笑っていた。
「男の子かねぇ、女の子かねぇ。」
「どっちにしても美男美女なのは確実だよ。」
「そうだね。2人に似て、綺麗な子が生まれるよっ!」
「レティシアお嬢ちゃん、無理しちゃいけないよ?お手伝いさんいるんだろう?」
「トレス家に仕えてくれていたスズミが側にいてくれてます。」
そう言ったならば、えっ、と時が止まった後、みんな手を叩いて喜ぶ。
「よくお嬢ちゃんと一緒にいたあのスズミかい?」
「あの子も一緒なら、お嬢ちゃん安心だね。」
「あの子も可愛い子だったねえ。」
「あの子は結婚したかい?」
きっと里の子は皆自分の子同然なんだろう。
みんなが一斉にスズの心配している。
「スズは頼りになるし、可愛いし。…スズのこと良いなって言ってた人もいたんですよ。」
それを聞くなり、あらあらと話が盛り上がる。