陰の王子様
山を越え、野宿をし、ひたすら歩く。
二日かけてようやく着いた。
さすがに疲れたな…。
王子と数名の騎士はここの偉い人に挨拶に行った。
「なんか、ここ気味が悪くね?」
アキが辺りを見回しながらそう言う。
確かに、何か嫌な感じがする。
通りかかる地元の人間が、こっちを見ながらニヤニヤしている。
挨拶に向かった王子に数名の女がまとわりついていた。
王子が昔から良くしていたところ。
「何かありそうだな…。」