陰の王子様
黙ってひたすらに周りの声に耳を傾けていると、
「お!サンチェ!そこ座れ!」
「はい。」
自分の横に座る気配がして、左を向けば、サンチェさんが座った。
目が合った自分の顔が情けなかったのか、サンチェさんに背中を軽く叩かれた。
「サンチェさん!!久しぶりっすよね?最近来なかったのは、裏切ったんですかー!?」
「いやいや、これでも騎士団の副団長なんで。忙しいのー。ねえ、シンア」
ニコッと笑うサンチェさん
あなたもこの人たちと一緒に…?
確かに、王子だけよりは、副団長のサンチェさんが村人をまとめて実行した方がいいだろうし…。
でも、何故サンチェさんが…?
さらに混乱する自分にサンチェさんは何も言わない。