陰の王子様
「あと、あそこの里はなかなか潰しがいがありましたよ!俺らが初めて村一つを潰したとこ!」
「ああ!あのローベルのな!」
「色んな奴らに剣を貫く感覚、思い出しただけでゾクゾクするぜー。」
"里"
"村一つ潰した"
"剣"
俯く自分の鼓動がゆっくり、
ドクン、ドクンと鳴っている。
思い出す
遠い昔の記憶
こいつらが、自分の里を…?
バッと顔を上げ、口を開こうとした瞬間、
目の前にいる王子が
自分を見てニヤリと笑っていた。
ドクン!と高らかに鳴った後、自分の体から血が引いていくような感覚になった。
ガタガタと震えだす自分の体。
すると、左手に温もりを感じた。
サンチェさん…。