陰の王子様
「ごめん。俺が側にいながら、こんなことになっちゃった…。」
「…お前にはお前の立場があるからな。今回の件は、いずれこうなると分かっていた。……それよりも、あいつの存在がバレてる方がまずいな。」
「確実じゃないけど…、たぶん知ってるよ。あの人。」
話す二人の周りには三人の男
全員が、眉を潜め、難しい顔をしている。
「イオ様。これからどうなさいますか?」
「…あいつ次第だな。何もせず、今まで通りにするんだったら、それに合わせるが。…そういう性格じゃないだろうな…。」
困ったように、だけど、どこか愛しそうに笑う主の姿に他の四人も笑みを浮かべる。