1日限定両想い
「好きなんだな。菊池先生のこと。」
『え…?』
はっきりと言葉にしなくても、見ているだけで分かる。
菊池先生のことを話しているときに全身から溢れ出ている好きという気持ち。
大切な人を想う目。
それは菊池先生と同じだった。
「俺には隠さなくていい。」
そう言った瞬間、須崎の大きな瞳から涙がこぼれ落ちた。
ずっと押し隠してきたのだろう。
でもその気持ちをこぼしてしまって、菊池先生を失った。
そしてまた、押し隠すようになった。
『菊池先生…どこ行っちゃったの?』
「大阪に帰るって言ってたな。」
『私が好きなんて言ったから…』
「菊池先生は須崎のことを最後まで気にしてた。だからそんな風に泣いてほしくないと思うぞ。」
平静を装いながらも、内心では焦りを隠していた。
そうか須崎が好きだと言ったのか。
須崎の気持ちが隠せないところまできていると知った菊池先生は、須崎の前からいなくなることを決めた。
自分が受け取ってしまう前に。
周囲に気付かれてしまう前に。