1日限定両想い
『須崎。』
追いかけてきた新田先生に名前を呼ばれても、振り返ることができなかった。
既に涙はとめどなく流れていたから。
『待てって。』
手を掴まれて足が止まる。
それでも振り向けなくて、俯いて顔を隠すけれど泣いていることには気付かれてしまっただろう。
『何としてでも連絡取るから。』
「どうして…」
『ごめんな。俺がもっと早くに気付くべきだった。』
きっと新田先生も同じだけショックで、悔しかったんだと思う。
ずっと一緒に仕事をしてきたのに、知らない間に番号を変えられていたなんて。
「やっぱり私のせいだ…」
全ての原因を作ってしまったのは、やっぱり私だった。
何も考えずに気持ちをぶつけて、こんな風に人生を変えてしまった。
『須崎のせいじゃない。』
「私のせいだって言ってください…。」
『そんなこと言わない。須崎のせいなんかじゃなかったって、絶対に俺が証明するから。』
掴まれたままの手から、新田先生の想いが伝わってくる。
私のせいじゃなかったと証明する。
それは私にとって、救いのような言葉だった。