1日限定両想い
『本当は何があったのか、教師として間違ったことをしてなかったか。それをちゃんとごまかさずに教えてもらわないと、謹慎を解くこともできないと思ったから。』
「はい。」
『ごめんね、古い考え方かもしれないけど。』
「そんなことないです。俺もそれは気になるので。」
俺には何もなかったと言った菊池先生。
その言葉を素直に信じられる程、俺の心は素直ではなかった。
『最初は何も答えてくれなかった。でも話していくうちに、菊池先生が須崎さんに対して一生徒以上の感情を持ってることを認めたの。』
「それは薄々、俺も…」
『私、そのときに深く事情を確かめようともせずに一方的に間違ってるって責めてしまって。』
教師が生徒に対して、一生徒以上の感情を抱くことは間違っている。
竹石先生が言うことは圧倒的に正しい。
正しいからこそ、俺の心をえぐる。
きっと、そのときの菊池先生の心にも深く刺さったはずだ。