1日限定両想い
『あなたは、何も悪くないのよ。』
「え…?」
まっすぐに見つめる目から目を離せない。
ずっと、自分だけが悪いと思っていた。
『安心したって新田先生が言ってたよ。』
「安心?」
『須崎さんと菊池先生がまた会えて幸せになれたこと。本当に良かったって、安心したって言ってたの。』
どうしてそこまで優しいの…。
苦しさで涙がこぼれ落ちても、竹石先生は何も言わなかった。
『私は新田先生をずっと見てきたから、その言葉に嘘はないって言える。ねぇ須崎さん。』
「はい…。」
『幸せになってね。あなたたちはもう教師と生徒じゃない。何も気にせず、誰にも遠慮せず、2人で幸せになって。』
「ありがとうございます。」
そう答えるのが精一杯だった。
今すぐ渉さんに伝えたくて、声が聞きたくて、会いたかった。
『今日は本当に会えて良かった。』
「私もです。ありがとうございました。」
カフェを出たところで竹石先生と向かい合う。
私の高校生活は大変なことばかりだったけれど、大切な出会いも沢山あった。