1日限定両想い

『で、どうした?急に会いたくなったって。何かあったんか。』

「うん…。」


キッチンで紅茶を淹れながら、渉さんが聞く。

初めて来たときには何もなかったキッチンも随分充実してきた。


渉さんが淹れてくれた紅茶を飲みながら、竹石先生と会ったことを話した。

竹石先生から聞いた、青波さんの話も。



『そうか。』


全部聞き終わると、渉さんはただ一言そう呟いた。



『黙ってて悪かったけど…俺、新田とずっと連絡取ってるねん。』

「え?」

『取ってるっていうか、あいつが一方的に近況を送ってくんねんけど。』

「全然知らなかった。」


初めて聞く話にうまく言葉を返せなかった。

黙っていたのは、私と同じように青波さんの名前を禁句のように思っていたからだろうか。



『旅行したら旅先の写真送ってくるし、猫飼い始めたって猫の写真送ってくるし、教え子が東大合格したって自慢してくるし。』

「そうなんだ。」


思っていたよりも微笑ましかった近況報告に自然と笑みがこぼれた。



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