秘密の片想い

 それから、お腹いっぱいになった莉乃はこっくりこっくり船を漕ぎ、眠ってしまった。

 きっと私が知らない間に、彼女なりに三嶋と格闘したのだろう。
 頬に残る涙のあとが、それを物語っている。

 莉乃をベッドに寝かしつけ、三嶋に声をかける。

「もう寝たから平気。ごめんね。わざわざ来てくれたのに、泣かれて大変だったよね」

「ああ、まあ。でも」

 三嶋はなにかを言い淀んで、黙ってしまった。
 それで私は、まだぼんやりする頭で話し出す。

 薬がよく効いてきて、熱は幾分よくなっている。

「私もインフルエンザになっちゃったみたいで、やばいなあ、母に来てもらえるように連絡しなくちゃって、ところで力尽きちゃったのかな」

「うん。ごめん。俺のせいで」
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