愛は惜しみなく与う④
その男は、加藤さんよりもでかい。
なんせチンピラよりも威圧感がある。

俺殺される?そう思った瞬間

その男は、加藤さんを殴り飛ばした


もう、冗談抜きで5メートルくらいぶっ飛んだと思う。道路の植え込み頭から突っ込む形で加藤さんは倒れた

俺の周りには、何も動けなかったチンピラが、1人立ってるだけ



そして突然現れた男は
俺の捲れ上がった服を、すっと下ろして『うん』と呟いた

は?何が?

戸惑って俺も動けずにいたけど、その男は、何も気に留めていない様子

チンピラの1人は仲間を連れてその場を去った。勘づいたんだろうな。こいつはやばいって

でも違った



『痛いか?』

『え?』

『何日か経ってるだろうけど…とにかく冷やせ。それで…』


その後に

マジな目をして言った




『何か自分の中で、強く思え。一つでいい。支えを作れ。そうすれば、いつか……お前は勝てるから』


こいつ何言ってんだ?そう思った
そして最後に…

植え込みから脱出した加藤さんを見ていった



『守れないなら、頭を下げろ』

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