愛は惜しみなく与う④
杏も俺についてくる


「あんたのお兄ちゃん最強やん」


そう言って頭を思いっきりわしゃわしゃと撫で回した。

そうだな。嬉しいな
少し恥ずかしいけど

本当の家族になってくれた


「杏もありがとう。一緒にきてくれて」

「当たり前や!あたし何もできてないけど!朔が少しでも前向けたならよかった」


何もできてない?そんな事はない

杏がそばにいてくれることの安心感は半端ないからさ。
だって俺の代わりに怒ってくれるんだぜ?
心強いよ


「明日で全部終わるから。泉が帰ってきたら、今日は倉庫行って、みんなと一緒に寝よ」


「うん、そうだな」


怪我させた奴らもいるから、謝らなきゃ。
きっと待ってくれてるから。

10分くらいしただろうか


杏とは、ただただ無言で、玄関の階段に腰掛けて座っていた。

すると泉が中から出てきた



そして俺ら2人を見て

ニコッと笑い



親父の名前にハンコの押した紙を

笑顔で見せてきた


ほんと敵わないな



「ありがとう。本当に」

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