愛は惜しみなく与う④
そんな俺らをみて、杏が飛びついてきた

「やったやん!やったで!」

きゃっきゃと夜中なのに騒ぎまくる杏を、泉が落ち着けとあやす


「俺らも色々あったんだ。お前が暴走するから、予定が狂った」

「ご、ごめん」

「……もう、大丈夫だな?」



確認するように顔を覗き込むんでくる泉

今、泉の顔を見たらまた泣いてしまいそう

そんな俺の心情を見透かしたかのように泉は言った



「今日だけなら泣いていいぞ?兄ちゃんとして、受け止めてやるよ」



むかつくだろ?
すっげぇかっこいい顔で俺見て笑ってんだ。

俺は泉が居なきゃ、ここに居ない。
泉のおかげで生きることが楽しいことだって知ったから

兄弟みたいなもんだって勝手に思ってたけど、泉はずっと昔から、こうなることを望んで、行動してくれてたんだって


「こっち見んなよ」


俺をみて、ニタニタ笑う杏に一言釘を刺して、泉に突進した


「バカ、ふわっとこい」


そう言いながらも受け止めてくれた



俺は本当に幸せものだな



ありがとう


過去も全部


ありがとう



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