イルカ、恋うた
『〇〇水族館にある、お土産売り場のイルカのペンダント。
幸せになれると、大人気!!』


そんな見出しの後に、火付けの原因になった、バラエティ番組の放送画面が載ってた。


そこだけ、目を通して、彼女を見ると、12月の誕生石を見てる。


丸い天然石を、イルカが抱えたデザイン。


「アイオライト?」


「うん、ウォーターサファイアともいうのよ。綺麗な水色。12月はターコイズが一般的だけど、こっちの方が好き」


「ふーん、買ってやるよ」


自然に商品を手にしてた。


え?と、彼女が戸惑ってるうちに、さっさと会計を済ます。


「じゃ、頑張ってね」

と、レジのおばさんが言う。


「へ?」


何だろう?分かんないけど……


水族館の名前が入った小さな袋ごと、「ほら」と渡す。


喜んでくれると、思ったのに、美月は拗ねた。


「……なんだよ」


「もう、いい……」


はぁ、と思ってたら、先ほどのおばさんに、不意に腕を掴まれ、耳元で囁かれる。


「さっきの雑誌のコピー、しっかり読め」


――はい!?


彼女は他のお土産を見てた。


その間に雑誌のコピーを読み直す。


「……あ」



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