溺愛依存~極上御曹司は住み込み秘書を所望する~【番外編】
「会長は俺たちに子供が生まれるのを楽しみにしてくれてるみたいだけど、菜々子はどう思ってる?」
会社では『早速今晩から、励んでみる?』と、おもしろがっていたのに、きちんと私の気持ちを確認してくれる心遣いをうれしく思った。
「赤ちゃんはほしいけど、やっぱり順番は守りたいかな」
結婚式をあげて入籍するのは半年後。妊娠と披露宴が重なるのは不安だし、モルディブの新婚旅行も変更しなくてはならないかもしれない。
「そうだな。俺も菜々子と同じ考えだよ。それにしばらくの間はふたりだけの甘い生活を楽しみたいと思ってる」
「はい」
大きな手で頭をなでてくれる拓海さんの胸に、甘えるように頬を寄せた。
「一緒に風呂に入る? それともベッドに直行する?」
「えっと……」
二択しかない答えに詰まる私を見て、拓海さんがクスッと笑った。
「会えなかった分まで、たっぷり愛し合おう」
「……はい」
出張帰りで疲れている拓海さんには、ゆっくり休んでもらおうと思っていた。でもストレートに求められるのはうれしいし、心と体が拓海さんを今すぐほしいと訴えている。
横抱きされた体が、ふわりと浮き上がる。
拓海さんの首に腕を巻きつけると、大好きな人と結婚できる幸せを噛みしめた。
END


