俺のこと好きでしょ?-六花の恋-【完】
ドキッとした。
晃さん、本当にひとのことよく見てるなあ……。
「……本当のことですから」
僕には、何もない。
例えば、由羽のような夢。
由羽は晃さんと咲雪さんの仕事を見ていて、自分もそれを仕事にしたいと決めている。
弱い立場になってしまっている女性を助けること。
例えば、うーのような目標。
うーは僕と同じ高校に入りたいと勉強を頑張っている。
僕は、勉強に意識を傾けやすい家庭環境だったからか、学ぶことは嫌いではなかった。
けれど、好きといえるほどではなかった。
いい成績をとっていればそれだけ選べる進路は広がったから、とりあえず上位の成績はキープするようにはしていたけど、その先は全然見つけられなかった。
高校も、中学のころの成績ならこのくらいは……程度で決めた。
将来も、想や美結と同じかなあ、と、漠然と思っていて……。
ふっと、晃さんが口の端に笑みを見せた。
「だから楽しいんじゃないか」