雨の日はそばにいて抱きしめて


・・・・・・
・・・






ついこの間“お花見”をしたと思っていたのに

一年が早く過ぎるのは年を取った所為?


週明けの出社早々届いていたのは総務課からの社内一斉メールだった


[社員交流会のお知らせ]


カリーナでは本社とショップ全店の従業員全員を対象に

研修と銘打った休日を春と秋の二回取っている

春はお城の公園でのお花見会
秋は駅前ホテルでの忘年会を兼ねた慰労パーティー


春は公園だからラフな服装で参加するけれど

秋はドレスコードがある


「・・・・・・面倒」


小さな小さな呟きを拾った絢音は


「えーーーーーーーっ
せんぱいダメですよ〜」


それはそれは大きな声で反応した


「ちょ、こら!絢音!」


慌ててシーッと指を唇に当てて見せるのに


「どうした?」


時既に遅し・・・


背後に立った課長にバレた


「課長ぉ〜聞いてくださいよぉ」


態々立ち上がった絢音は
向かい側から唇を尖らせて
機関銃のように喋り始める


それを苦笑いで聞いていた課長は


「風見、今年はより凄いぞ」


肩をトントンと叩いて
デスクへ戻って行った


「ハァ」


ため息を絢音に打つけてみれば


「せんぱ〜い?だって
せんぱいが可愛いから
仕方ないんですよ〜」


くねくねしながらクチバシの言い訳をした


私のため息の理由・・・


秋の慰労パーティーは社員だけではなく
得意先も招待する

だから?

得意先の家具工房のお爺ちゃん社長に
何故か?気に入られた私は
いつもパートナーのように引き摺り回される

白髪をオールバックにまとめ
同じ色の髭は綺麗に整えられている
蝶ネクタイを付けた可愛いスーツスタイルは
とてもお茶目で可愛い

なにが嫌なのかって?


毎回ステージの上で
公開プロポーズをするから・・・











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