みだらなキミと、密室で。

──ピンポーン

──ガチャ

遥琉が有馬家のインターホンを押すと、すぐにドアが開かれた。

「ただい──」

「きゃーー!海風ちゃん久しぶりーー!来てくれて嬉しいわ〜〜!」

顔を出したのは正真正銘、遥琉のお母さん、陽子さん。

顔をよくみたのは久しぶりなのに、昔と全然変わっていない若々しさにびっくりしてしまう。

大学生の子供がいるようには絶対見えない。

「あ、お、お久しぶりです、陽子さん。すみません、なんか突然、夕飯ごちそうに……」

「なーに言ってるの〜!ほらほら、あがってあがって〜!」

陽子さんはそう言って、私のことを嬉しそうに家へ迎えてくれる。

優しいな……。

さっきまでの緊張とか不安が嘘みたいに溶けていく。

『おかえり』って言われてるみたいな。
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