みだらなキミと、密室で。
何よ。
そりゃ、久しぶりに会った幼なじみのお兄ちゃんが、あんな風に成長してたら、ドキッとしちゃう。
そこは認める。
それに、私が詩音さんにときめくのは今に始まったことじゃないじゃん。
昔から、優しくて大人な詩音さんのこと大好きだったのは変わらない。
それに比べて遥琉は、小さい頃はヘタレで泣き虫で。
今、成長して図体デカくなったらデカくなったで女の子にだらしなくてフラフラしてるし。
そんな遥琉とは全然違うんだもん。
いいじゃん別に。
狙ってるわけじゃあるまいし。
イケメンは目の保養なんですぅ〜〜!!
「はぁ〜なんかすっごく夢見心地!また海風ちゃんとこうやって一緒にご飯食べられるなんて。千秋ちゃんも仕事じゃなかったら誘ったのね〜」
陽子さんがそう言ってクリームスープをスプーンですくう。
私と遥琉、陽子さんと詩音さんで食卓を囲む。
お父さんの正樹さんは仕事で遅くなるらしい。
メニューは、昔よくここで食べていた、陽子さんお手製のハンバーグ。
久しぶりの味に、少し目頭が熱くなった。