みだらなキミと、密室で。

「まぁ、海風が遥琉くんのことどう思ってるか正直私はわからないけど、たとえ振られたとしてもそっからなんじゃない?誠意というか、海風のことそれぐらい大事に思ってるなら何度間違えてもカッコ悪くても向き合わないと」

「……はい、」

おっしゃる通りすぎて、ぐうの音も出ない。

昔から弱い自分が嫌で、成長するにつれてスカしたことばかりは一丁前に覚えるようになってカッコつけて。

しょせん、俺はいつだって空っぽで。

何やってんだか……。

「フッ」

突然吐き出した松本。

「なに……」

「いやぁ、貴重だなぁと思って。遥琉くんのそんな顔。背中まで小さく丸まっちゃってさ〜小学生みたい」

「あのな……」

この人……すっごいディスってくるじゃん。

「あの頃の仕返しだから、我慢して。まぁ利用してって言ったのは私だけど。それでも!今日は言いたいことどんどん言っていくよ」

「っ、それはもう、はい、」

そんなこと言われたらなにも言えねーよ。
< 204 / 300 >

この作品をシェア

pagetop