みだらなキミと、密室で。

遥琉 side


あの日、あの密室で。

キミは俺の理性を史上最高におかしくさせた。

正確にはずっと、俺は海風のことになると正気じゃいられないんだけど。

細くて綺麗な髪の間から見える白いうなじ。
横目で確認してるだけで気が狂いそうで。

いつだったか、早乙女さんと海風がふたりきりで歩いているのをみて、

どうしようもなく胸が痛かったのをよく覚えてる。

俺には隣にいる資格はないだとか、海風のために距離を置くだとか、

そういう言い訳はいくらでも出てくるくせに、

いざ、海風が誰のものになると想像したらもう全然ダメで。

やっと、海風と両想いになれたけれど、海風を独占したいって気持ちは、

全然おさまってくれない。

むしろ……。

もっともっと触れたくて。

わがままを言える関係になれたからこそ、さらに俺の欲は止まらない。
< 250 / 300 >

この作品をシェア

pagetop