再会~俺のONLY ONE ~何があっても離さない~


「あ…」

「ウッソ…マジかよ…」

最悪の事態はさらに悪化したようで…

次の日の朝、マンションを出たわたしは前の高級マンションのエントランスから出てきた久世先輩とばったり出くわし、さらにこんな言い方をされて、ムッとしてしまい、見てないフリを決め込んで、無視してスタスタ歩き始めた。

マジかよとか…こっちが言いたい…。

「なあ菜莉。挨拶くらいしてよくない?」

先輩が追いかけてきてるわけじゃないんだろうけど、背が高い分スライドが長いので、普通にしてても追いつくのだろう。

「おはようございます。」

くるりと振り向き、ぶっきらぼうに言うと、またスタスタ歩く。

「おはよ。いつから住んでるの?」

先輩はわたしから離れる気配なく、ぴったりと横を歩いてくる。
無視したかったのに…

「1年前です。」

「なんで?」

「なにがですか?」

「働き始めてから2年目になんかあったってことだろ?」

「は?」

「引っ越してんだし。」

う…す、するどい…。
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