再会~俺のONLY ONE ~何があっても離さない~


「だいたいわかったわ。あと、テンクウコーポレーションのデータだけ、メールしといてよ。」

「はい。わかりました。」

久世先輩との打ち合わせが終わって時計を見たら7時だった。

昼からと言われて待っていたけど、挨拶回りで忙しいらしく、会社に帰ってきたのは5時を過ぎていた。

「悪いし、明日にしようか?」

「いえ。大丈夫ですよ。」

仕事に私情は持ち込まない。

そして打ち合わせは2時間に及んだ。
益山さんの先は重要な先ばかりなので、説明も丁寧にしなければならない。
わかりやすく的確に。

もちろん、雑談なんて…なし…。

そして打ち合わせが終わり、わたしは席に戻ろうとした。

「ねぇ。菜莉。一緒に帰ろっか。」

「いえ。結構です。」

そう言ってミーティングルームを出たはずなのに…

帰りのエレベーターはなぜか一緒で…
そのままずっとわたしの横を歩く先輩…

朝も一緒で帰りも一緒って…ヤバくない?
マジでうさわの的になるからやめてほしんですけど…。

「だいぶん寒くなってきたけど…菜莉薄着だけど…大丈夫?」

「大丈夫です。」

けど、実際その日は突然寒くなったのか…上着を着てくればよかったと思うほどだ。
ぶるっとしそうになるのを必至で耐える。

「菜莉変わってないな。」

先輩が、ふっと笑った。

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