再会~俺のONLY ONE ~何があっても離さない~
「ふん。何様?」

「空いてるそっち、使いたいだけなんで、どいてもらえますか?」

洗面が5つあるうち奥ひとつだけ空いていた。

「別に…わたしのうしろ通っていけばいいだけじゃない?」

狭くて通るスペースなんてないほど幅とってるくせに…
まあいい…

「そうですか。じゃあ…」

と、後ろを肩をすくめて通ろうとしたとこで、松田じゅりがわたしの肩をドンッと押した。

さすがに暴力までは予想してなかったわたしはよろめいて、トイレの床に手をついた。

「キャハハハ~」

とたんに聞こえる笑い声。

「見た今の?」

「自分の立場わきまえてないからこうなるんだよ。地味子のくせに。」

「ほんっと。」

「久世くんの彼女面?笑わせんなよ。」

今までのわたしならここで、泣きそうになって飛び出してたと思う。

けど…
もう、翔くんと心が通いあったんだから…
こんなことでへこたれない!

わたしは、立ち上がると、パンパンスカートを叩いてゴミを落とした。

「こんなことして、楽しいですか?先輩。」

ニコッと笑って言ってやった。

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