再会~俺のONLY ONE ~何があっても離さない~
そしてそのあと、無表情で奥の洗面台に進んで化粧ポーチをとりだした。

内心はムカついてこっちだって蹴り入れてやりたいくらいだ。

けど…そんなことしたら…挑発に乗ったことになってしまう。

「なんなの?あんた。ちょっとまちなさいよ!」

松田さんがわたしの方へ向き直って、また手をあげようともってきた時だった。

「うわー。いいの撮れたー。」

麻美が出入口からスマホをかざしながら入ってきた。

「今の動画全部久世さんに送らせていだだきましたんでー。」

「は?ちょっと!」

「ついでに今も撮影中なんで…また送っときますねー。じゅり先輩。」

「貸しなさいよ。そのスマホ。」

慌てて麻美の方へ向かってそれを奪おうとしたけど…

「はあ?ゲス女が。だまれ!」

麻美が豹変した。

松田さんが驚愕の表情をしてる…
普段おとなしい麻美がこんなになるとは誰も思ってなかったに違いない。

さすが…元ヤン…。

「あんたら自分のやってることわかってんの?わたしのスマホ奪ったところで、動画はもう送ってんだよ。遅いっての。これ見て久世さんがどういうか楽しみだね。じゅり先輩。」

ニヤッと笑うと、じゅり先輩の方に逆ににじり寄った。

< 190 / 262 >

この作品をシェア

pagetop