再会~俺のONLY ONE ~何があっても離さない~
特に会話するでもなく電車から降りて、改札を出て、そしたら、また寒さがわたしを襲う。

うわっ…マジで寒っ…

そしたら…そのとき…

わたしの肩からボワッとあったかい何かが降ってきた。

えっ?
先輩…?

「明日からちゃんと上着もってこいよ。」

先輩が今まで着てたスーツの上着…
貸してくれるの?
さっき貸さないって…言ってたのに…

先輩を思わず…見つめてしまった。

「けど…これじゃあ先輩が…」

「いいって。マンションまですぐだから。」

「でも…」

「ごちゃごちゃ言わずにはおっとけ。」

そしてフィッと視線を逸らした先輩はスタスタ歩き出す。

「早く来いよ。俺さみーんだから。」

「はいっ!」

先輩の横に並んで…
先輩のにおい…がスーツから…わたしを包む。

懐かしいにおい…

ふと昔に戻ったみたいな錯覚に陥る…



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