再会~俺のONLY ONE ~何があっても離さない~
そんなこんなで…翔くんとの帰り道…

「ところで翔くんはどうやってやつらを…」

「やつらっておまえ…」

翔くんがプッと笑う。

「やつらだよ。あんなん。」

「そうだな。まあ、管理部の部長に直接かけあったんだよ。俺、実は知り合いでさ。」

「え?」

「親父の会社関係。あの部長のコネでここはいったんだよ。」

「マジで?」

「おう。マジ。で、まあ動画見せて、アイツらクビにしてほしいって言ったわけ。トイレで暴力震うようなやつら、そのうちSNSあげられますよってね。」

「クビ?」

「あたりまえだろ?おまえ、自分されたことわかってる?訴えてもいいことなんだぞ。」

翔くんが怒るので、そうなのかなと思ってしまう。

「わたしもっと怒っていいってこと?」

「そうだよ。怒れよ、ほんと。で、まああんなやつらだから管理部でも持て余してたらしくて、本人たち呼んで、クビになってもおかしくないって伝えて…で、今回は異動だけで許してやるって形。松田は埼玉付近から通ってるから埼玉営業所のほうが近いんだと。」

「そうか…まあ…このままずっと本社にいたらまたいつやられるかとビクビクしながら過ごすのやだし、よかったかも…」

「よかったってか…クビにしたかったけどな。まあそれは今の社会じゃ労働者にも権利あるから犯罪とか犯さない限り無理だしな。」

「うん。翔くん…ありがとう。」


< 196 / 262 >

この作品をシェア

pagetop