一生、俺のそばにいて~エリート御曹司が余命宣告された幼なじみを世界一幸せな花嫁にするまで~
ドサッとソファに私を下ろす匡と言い合っていたら、兄もリビングに移動してきて遠慮がちに言った。
「俺って邪魔だったかなあ?なんだか新婚家庭に来ちゃったような……」
「お兄ちゃんも呑気なこと言ってないで、匡に注意してよ!」
そう要求するが、マイペースな兄はスルーして私にやんわりと言う。
「うーん、璃子はお酒飲まない方がいいなあ。目が据わってきてるよ」
「ホントだ。お前、二十分後には寝るな」
私の顔を見て予言する匡に「寝ないわよ」とムスッとしながら返した。
その後、匡と兄がテレビのサッカーの試合を観ながら盛り上がっていたが、段々眠くなってきて……。



「やっぱり寝た。京介、俺、こいつベッドに運んで来るわ」
遠くで匡の楽し気な声がしたと思ったら、身体がフワッと浮いてゆらゆら揺れる。
なんだか気持ちがいい。
雲の上にいるようなそんな感じ。
だが、目を開ける気力はない。
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