一生、俺のそばにいて~エリート御曹司が余命宣告された幼なじみを世界一幸せな花嫁にするまで~
学校の風紀委員のように厳しい態度で京介からスマホを取り上げる璃子。
「あっ。仕事のメール見てたのに。頼むから返してよ、璃子」
手を合わせてお願いする京介に、彼女は目を釣り上げて怒る。
「見るのは食べてからにしなさい」
「そんなあ」
しゅんとする京介の肩にポンと手を置いた。
「諦めろ。璃子に逆らうと、なにも食わせてもらえなくなるぞ」
「匡はちゃんとわかってて偉いじゃない」
璃子は玉子焼きをテーブルに運ぶと俺の対面の席に座る。
ふたりでいただきますをして食べ始めると、しばらく黙々と食べていた京介が口を開いた。
「俺、これ食べたら行くわ。なんか仕事の依頼が来てて、東京にいるならすぐに話をしたいって」
兄の話に少し驚きつつも、璃子は嬉しそうに頬を緩める。
「売れっ子建築家は大変だね。今日アメリカに帰るの?」
「いや、今日は実家に帰って、明日アメリカに戻ろうと思う」
妹の問いに淡々と返しながら、京介は味噌汁を啜った。
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