一生、俺のそばにいて~エリート御曹司が余命宣告された幼なじみを世界一幸せな花嫁にするまで~
私に突き刺さるみんなの視線が痛い。
思いつきで来るんじゃなかった。
早くここから出て行こう。
もう今はそれしか頭になかった。
しゃがんでランチバッグを手に取ったら、カツカツと靴音がして、匡の声がした。
「一体なんの騒ぎだ?」
顔をあげれば数メートル先に彼がいて、その隣には長谷川さんの姿もあった。
「……匡」
か細い声でその名を呟いたら、彼が私の元にやって来て手を貸して立ち上がらせ、中川さんに目を向けた。
「その女性が副社長にお弁当を届けに来たのですが、面識のない方なので断りました」
中川さんははっきりとした口調で匡に報告する。
彼女は私を不審者を見るような目で見ていた。
「彼女は佐々木璃子と言って私の婚約者だ。彼女が来ることを俺が長谷川に伝え忘れていたんだ。迷惑をかけてすまない。だが、今後も来ることがあると思うから覚えておいてくれ」
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