一生、俺のそばにいて~エリート御曹司が余命宣告された幼なじみを世界一幸せな花嫁にするまで~
ツンとはねてる髪を突いたら、彼女はギョッとした顔で前髪を押さえる。
「やだ、そういうことはもっと早く言ってよ〜。長谷川さんに見られた〜。恥ずかしい〜!」
洗面所に逃げ込む彼女を見てクスッと笑みを零す。
「俺はいいのか」
「匡様、顔がデレデレですよ」
俺を見て楽しそうに指摘する長谷川。
ここぞとばかりに俺を弄る。
「本当は目覚まし時計の音が嫌なのではなくて、璃子さんを休ませてあげたかったんでしょう?さり気なく優しいですよね。弁当事件の時も璃子さんを守ってましたし。あの時は、私の出る幕がありませんでしたよ」
長谷川でもうまく対処できただろう。
だが、多くの社員の前で璃子が悪者にされていて見ていられなかった。
「俺が璃子の身元を証明するのが一番いいと思ったまでのこと」
「相手が他の女性なら静観していたでしょうね。璃子さんが来るまであなたが好きな女性を溺愛するタイプとは知りませんでしたよ」
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