一生、俺のそばにいて~エリート御曹司が余命宣告された幼なじみを世界一幸せな花嫁にするまで~
「いえいえ。私が悪いんです。最後までご迷惑おかけしちゃってすみません」
「ちょうど来年アメリカで開かれる学会に出す論文が出来たんだ。ちょっと見てくれないかな?」
先生がデスクの上の用紙を手に取って私に差し出す。
匡が待っているのだけれど、お財布の件もあって無下には断われない。
五分か十分くらいなら匡も待ってくれるだろう。
「見るだけなら」
腕時計をチラッと見て、先生から用紙を受け取り、目を通す。
英語で書かれたヘミングウェイに関する研究論文は、先生らしく洗練された言い回しで頭にスッと入ってきた。
「いい論文ですね。先生が教授になる日も近いかな」
にこやかに微笑んで先生に論文を返すと、再び腕時計を見た。
ここに来て十五分経ってる。
わ〜、そろそろ匡がイライラしそう。
「先生、もう私帰ります!さよなら!?」
別れの挨拶をしようとしたら、先生が私の両肩を掴んで壁に押しつけられた。
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