一生、俺のそばにいて~エリート御曹司が余命宣告された幼なじみを世界一幸せな花嫁にするまで~
その言葉に涙腺が緩みそうになった。
なんて言ったらいいの?
強く反対すれば、彼に怪しまれる。
混乱する頭で考えて、「やけに気前がいいね。破産しても知らないよ」と返した。
「お前は余計な心配せず、ただ楽しめばいいんだよ。ほら、大学着いたぞ」
匡が正門の少し手間で車を停める。
「あ、ありがと。すぐに取って来るから」
ぎこちなく言ってコートを着ると、車を降りて久野先生の研究室に走って向かった。
先生の研究室の前まで来ると、胸に手を当て乱れた息を整え、ドアをノックして中に入った。
「先生、佐々木です。失礼します」
パソコン画面を見ていた先生は、私に目を向け席を立つ。
「やあ、思ったより早く着いたね」
「電話の後すぐに家を出たので」
「そうか。これ、財布。僕もすぐに気がつけば良かったんだけど」
申し訳なさそうに謝る先生から財布を受け取ってバッグに入れる。
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