一生、俺のそばにいて~エリート御曹司が余命宣告された幼なじみを世界一幸せな花嫁にするまで~
電話じゃないってことは、まだホテルではないのかもしれない。
また私がソファで寝てないかの確認だろう。面倒くさがり屋なのに、マメだな。
【うん。ソファでテレビ観てる】
大嘘だが、空港にいるとは打てない。
【今すぐテレビ消して寝室に行け】
匡の命令にフッと笑みを浮かべながら文句をつけた。
【横暴だな、匡は】
【お前が放っておくとソファで寝るからだ】
俺様なのに優しい。
もういいんだよ、匡。私の心配なんかしなくて。
【はいはい、わかりました。移動したよ】
早くラインを終わらせようと、すぐにメッセージを返すと、彼からツッコミが入った。
【やけに早くないか?】
その指摘にドキッとする。
相変わらず鋭い。
【普通です。ほら、ベッドにもちゃんと入ったよ。おやすみ】
もう電話の電源を切ろうとしたのだが、すぐにまた彼からラインが入った。
【今日はひとりでちゃんと眠れるのか?】
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