一生、俺のそばにいて~エリート御曹司が余命宣告された幼なじみを世界一幸せな花嫁にするまで~
14,彼とずっと一緒に
「うわ~、まるで絵本の世界に来たみたい」
昨日の午後イギリスに着いて、電車で一時間半かけてやって来たのは、ロンドンの南東部にある古城。
一昨年の夏に一度来てすごく気に入ったお城だ。
でも、冬の方がより幻想的。
あまりに綺麗で夢を見ているんじゃないかって思えてしまう。
お城は湖のほとりにあって、午前中は雨が降ったせいか、周囲は靄に包まれている。
チケット売り場で入場チケットと一緒に鳥の餌を買ってお城の敷地に入ると、色鮮やかな緑の芝生が広がっていて、野鳥がたくさんいた。
人に慣れているのか私を見ても逃げない。
白鳥、カモといった野鳥が私の周りにやって集まってきて餌をお強請り。
近くで三歳くらいの男の子が餌やりをしていて、見ていて微笑ましかった。
いいなあ。
髪も金髪で天使みたい。あんなかわいい子がいたら、もう毎日ハグしちゃうかも。
でも、それは私が望めない未来だ。
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