一生、俺のそばにいて~エリート御曹司が余命宣告された幼なじみを世界一幸せな花嫁にするまで~
そんな冗談を言ったら、匡は顔をしかめ、私が差し出した手をパチッと叩く。
「金取るのかよ。ここはホテルか。だったら、明日の朝はサバの味噌煮を所望する」
「明日もいてもいいんだ?」
フフッと笑みを浮かべる私の目を見て、彼は“しまった”というような顔をした。
「あっ……」
黙り込む彼にとびきりの笑顔を向ける。
「明日はサバの味噌煮作ってあげるね。今夜も遅いの?」
「ああ。平日の夜はだいたい接待」
匡がボソッと呟くように答え、私は彼をじっと見ながら相槌を打った。
「副社長も大変だね」
“家に帰れ”と言われるかと思ったけど、彼は私の言葉にコクッと頷く。
「まあな」
「ねえ、匡は家政婦さんとか雇ってるの?」
これだけ広い家を管理するのは大変だ。
「ああ。週二回掃除に来てもらってる」
「洗濯は?」
私の質問に焼き魚を口にしながら彼は答える。
「それは俺がやってる。でも、忙しいから毎日はやらないけどな」
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